学資保険に加入する必要ある?メリットとデメリットを知ろう!

妊娠期や子供が産まれる頃に一度は必ず耳にする学資保険。学資保険がこれほど広まっているのには理由があります。

学資保険は一言で言ってしまえば貯蓄です。貯蓄を保険として扱ってもらうことになるわけですが、ただの貯蓄ならご自身で銀行に貯金しても良いわけです。それではなぜ学資保険がオススメされているのか。

それは“保険”という仕組みから様々なメリットを受けることができるからです。もちろんデメリットになる要素もありますが、基本的に得をするようになっています。

目次

学資保険の簡単なおさらい

学資保険は積立式の生命保険です。こども保険とも呼ばれ10社程の保険会社が商材として提供していますが学資保険も生命保険のひとつです。基本的な仕組みはどの保険会社も大差ありません。

  • 目標金額を決める(殆どが100万円から。大きな額では1千万円を超えるプランも)
  • およそ目標金額÷支払い年数÷12の金額を毎月支払う
  • 満期になる大学入学時期に納めた保険料を給付される
  • プランによっては小学校〜高校の時期に祝い金として給付してもらえる
  • 返戻率があり、預けた保険料に%いろをつけて給付されることが多い

学資保険は5年〜15年ほどかけて目標金額に達するように保険会社に毎月保険料を支払います。もし学資保険の基本的なことを知りたいときは「学資保険とは?お子さんの将来のために備えよう!」を一読してください。

養育費がいくらかかるかご存知ですか?

幼稚園から大学卒業までかかる養育費を文部科学省と独立行政法人日本学生支援機構が統計をとって公開しています。この養育費は学費+給食費+活動費(塾など)を合わせた統計になっています。公立なのか私立なのかで大きく金額が変わりますがどれくらいの養育費がかかるのか見てみましょう。

時期 公立 私立
幼稚園
(3年)
69万円
(学費:36万円/給食費:6万円/学校外:27万円)
144万円
(学費:96万円/給食費:9万円/学校外:39万円)
小学校
(6年)
192万円
(学費:36万円/給食費:24万円/学校外:132万円)
912万円
(学費:522万円/給食費:24万円/学校外:366万円)
中学校
(3年)
144万円
(学費:40.5万円/給食費:13.5万円/学校外:90万円)
396万円
(学費:297万円/給食費:3万円/学校外:96万円)
高等学校
(3年)
135万円
(学費:82.5万円/給食費:-/学校外:52.5万円)
312万円
(学費:226.5万円/給食費:-/学校外:85.5万円)
合計
(15年)
総合計:540万円
(学費:195万円/給食費:43.5万円/学校外:301.5万円)
総合計:1,764万円
(学費:1,141.5万円/給食費:16万円/学校外:281.5万円)
大学区分 費用
国立大学
(4年)
256万円
(学費:200万円/学校外:56万円)
公立大学
(4年)
264万円
(学費:216万円/学校外:48万円)
私立大学
(4年)
544万円
(学費:484万円/学校外:60万円)

※大学は昼間の4年間

表ではわかりにくいですが学費(入学費や教材など学内でかかる費用)だけを見てみましょう。幼稚園(3年)〜高校卒業までに「公立:195万円」、「私立:1,141万円」かかることになります。

大学へ4年間通うと学費がさらに「国立:200万円」、「公立:216万円」、「私立:484万円」かかることになります。大学は専攻(美術や医大など)によって大きく変わりますし、賃貸を借りるかでも変わるので参考程度にしておいたほうがいいでしょう。

このように学校内だけでかかるお金が公立だけで済ませても約400万円かかることになります。その他の学校外活動費も含めるとかなり高額になるため、お子さんが生まれた頃から計画的に貯蓄を行っていかないと将来的に金銭トラブルをおかしかねない状況に陥ります。

参考資料:
子供の学習費調査
平成28年度学生生活調査

学資保険のメリット

精神的に助かる

食費や家賃などの生活費を毎月の収入から捻出しないといけません。この生活費の管理をするだけで結構なストレスになっていると思います。普段の生活の中に学資の貯蓄というタスクを一つ増やすことになりますが、学資保険を活用することで最低限の保証ができるので少しだけ気持ちが楽になります。

学資保険の中には進学のタイミングで祝い金(年金)として細かく給付されるものがあり、このお祝い金を活用すると進学時期の不安を多少軽減させることができます。

自身で貯蓄を行うのは意外と怠けてしまうものなのです。学資用の口座を別管理にしても毎月の手間と手数料が発生してしまいますからね。保険として貯蓄を行うと毎月強制的に保険料として貯蓄されてくれるので保険会社に管理を任せることができます。

契約者が死亡した場合に保証される

学資保険のその殆どが契約者の死亡時に以後の保険料を満額納めたことにしてくれ、満期時に保険料を給付してくれます。生命保険とは別途もらえるため、もしもの事を考えると非常にありがたい特約です。

プランの中には大きな障害を受けて働けなくなった場合にも保証されるものがあるため、プランを選ぶ際の判断材料にしても良いでしょう。保険会社によってはこの特約を付けることで将来的に帰ってくる給付金が少なるプランがあるので注意が必要です。

返戻率(へんれいりつ)で少し多く戻ってくる

学資保険は返戻率というものがあります。ざっくり言うと払った保険料に利息がついて戻ってくるイメージになります。すべての保険に利息がつくわけではなく保険会社やプラン、そして年齢や支払い年数で返戻率が変わってきます。

返戻率はだいたい98~108%の間に収まるようになっており、学資保険を決める際に返戻率をよく調べる必要があります。医療保障などがついたプランになると返戻率が100%を下回ります。

保険控除を受けられる

学資保険は保険ですので毎年の保険控除として申請できます。保険料の控除には「生命保険控除」、「地震保険控除」、「社会保険控除」、「小規模企業共済等掛金控除」と大きく分けて4つありますが、学資保険は「生命保険控除」に分類されます。ただし他の保険と合わせた額が生命保険控除になるのですでに上限に達している場合もあります。

会社員であれば年末調整で提出し、個人事業主の場合は3月の確定申告に含めて提出します。

学資保険のデメリット

加入が遅いほど大変になる

多くのプランが5〜6歳までに加入しないといけません。また、保険料の満額になるように年数をかけて支払うことになりますが、加入が遅れるほど毎月の支払額が増えます。総合支払い額はそれほど変わりませんが、100万円を15年分割で支払うのと5年で素早く支払うのとでは家計への負担が大きく変わります。

支払い期間や契約者の年齢で返戻率が変動する

まず契約者が高齢であるほど返戻率が上昇しにくくなります。

また、学資保険は目標の保険料を100万円〜1000万円以上と初めに決めるのですが、その金額分の保険料を5年〜15年など期間を決めて積み立てて支払っていきます。支払期間が短いほど返戻率が高くなるのですが、それは儲けを出すための投資運用のようになってしまうので将来のための貯蓄という考えから少し脱線してしまいます。

自分にあった学資保険が少ない

学資保険を求める方は特別裕福な方ではなく、一般的な経済で将来に備えて蓄えておこう…という方が多いと思います。そんな中で学資保険の返戻率が高いからオススメ!なんて情報がチラホラ見受けられます。あくまでも将来に備えた積立型の貯蓄ですので、オススメされている学資保険が一番良いとは限りません。

基本的に5年くらいで1000万以上スパッと支払える方なら返戻率で多く給付され、生命保険などの特約をつけようとすると戻ってくる保険料が減っていきます。

得する保険に見えても、実際は非常に難しい条件のプランが多いので個人個人の経済状況に合った学資保険を見つけるのは大変です。

給付金には税金がかかる

支払った保険料は控除として活用できますが、逆に保険会社から給付されたお金は税金の対象になります。税金のかかり方は家計に直結していますので念頭にいれてプラン選択をする必要があります。

給付される税金のかかり方は大きくわけて2つに分類されます。

1つは「満期でもらう給付金」
2つは「祝い金(年金)として途中でもらう給付金」
の2種類です。

【満期でもらう給付金】
大学進学時期にもらえる給付金です。この給付金は“誰がもらうか”で税の種類が変わります。

契約者がもらう=>所得税
配偶者や子供がもらう=>贈与税
と分かれ、実は税率が大きく異なります。

詳しい計算方法は別記事でご紹介したいと思いますが、簡単に特徴を書き表に記載します。

項目 概要
所得税 支払った保険料より超えた金額が税対象
贈与税 もらった金額がすべて税対象

このように契約者以外に給付してしまうと税金が莫大になります。契約者自身が受け取れば控除に含まれるので税金が0の場合が多いのですが、贈与税だと数万円確実にかかってしまいます。特別な事情がない限り学資金は契約者が受け取るようにしましょう。

【祝い金(年金)としてもらう給付金】
祝い金は雑所得(普通の収入)として扱われるので特別控除(50万円)の対象になりません。会社員の場合は雑所得合計が20万円を超えないのであれば非課税対象になるので税金がかかってこないのですが、個人事業主の場合は全額が課税対象になってしまいます。

プランによっても祝い金の額が異なりますが、15万円程度は受け取る形になります。個人事業主の場合はこの15万円が大きな負担になる場合があるので注意が必要です。

一度加入したら他の保険に乗り換えにくい

学資保険を解約する場合は支払った保険料が返金されます。返金される金額は保険会社と支払った期間の長さで変わってきます。支払い年数が長いほどほとんどの保険料が戻ってくるとはいえタイミング次第ではかなりの損失になってしまいます。学資保険とは長期的に加入することで有用性を発揮するのです。

学資保険は銀行へお金を預けているわけではなく、あくまでも保険会社の商材と契約しています。本当のその保険に加入すべきなのか初めにじっくりと検討する必要があります。

好きなタイミングで給付されない

多くの学資保険が大学入学時期に給付するようになっています。その“大学入学時期”ですが「18歳満期」という○歳満期という表記がされています。これはお子さんが○歳を過ぎたら給付を申請して受け取ることができるということです。

この支払いタイミングの弊害として「3月の早生まれのお子さんが18歳になった頃には入学金の支払時期が過ぎてしまっている」ことになりかねません。保険会社のプランによっては17歳満期もあるので安心できるのですが返戻率が変動してしまうこともあります。

小学校や中学校の時期にも祝い金として給付されるプランがありますが、その給付時期も年齢で判断されるので給付して欲しいタイミングではない場合が出てきます。

学資保険の必要性

学資保険に加入するべきか否か?

答えは「加入するべき」です。なぜ加入するべきか、それは損をしないから。返戻率や税金の関係で金銭的にはマイナスになる場合はもちろんあります。しかし貯蓄管理を外部に任せることができること、そして万が一に契約者が死亡した場合に保険料が保証されることは非常に大きなメリットです。

もし返戻率が98%など下がってしまった場合でも、100万円の保険料なら2万円損するだけ。その2万円も保険契約が満期になるまでの間に少しづつ負担していく形になります。